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2010年04月24日

まだまだ源氏物語。

By marfua 2010年04月24日 16:37

先日、橋本治の「窯変源氏物語」を再読し始めたらハマっちゃったと書きましたが、最近ますます深みに嵌っていて。
少し前には窯変源氏物語の解説本、「源氏供養」を読みました。(能にも「源氏供養」という演目がありますが、それとは違います。)

いえ、窯変があまりに長くて重かったので、客観的で明るい気持になれる本が読みたかったのよ〜。
一昨年知人が源氏物語の勉強会に京都に行くとか言ってたころには、ちっとも興味がわかなかったのに。
まあマイブームなんて、世間とはちょっとズレたところで突然起こるものよね。ね?
橋本治は源氏物語の現代語訳を打診されたのに、枕草子の現代語訳をやったら、もう源氏物語はいいや、と思ってしまったそう。
それが瀬戸内寂聴の「女人源氏物語」の巻末に収録される対談をした帰り道、急に、ああかな、こうかな、と構想がもたげてきたとか。
作家だって、マイブームは突然に。

「源氏供養」は「窯変源氏物語」を読んでいなくても、お姫様の住んでいる空間の図解があったりするので、源氏物語のストーリーをちょっとでも知っている方なら面白いと感じるのでは。
姫君と呼ばれる女性が、たった30畳弱の空間で一生を終える時代。紫の上は成人してからは、雀を追って庭に走り出すことはできなかったんだなー、とか。
主人への忠義なんていうのもない時代。空蝉の弟の小君が、須磨へ下る源氏を見限ったのも、当たり前だったんだなー、とか。
「結局みんな、不幸になりました」みたいな物語なのに、なんとなく未来に希望を感じるのは、千年たって、現代がそういう社会ではなくなっているからなのかもね。

源氏供養
ということで、先日アップしようと思って下書きのままになっていたのが、この画像です。
単行本「窯変源氏物語」の挿絵は、写真家おおくぼひさこのモノクロ写真だったの。
その写真集「窯変源氏」を本棚の奥から引っ張りだしてきて、「源氏供養」と一緒にを広げてご機嫌でした〜。
(現在刊行されている文庫版には挿絵はありません。大きな図書館には単行本が置いてあると思います。)

光源氏が絶世の美男子だといっても、どうせしもぶくれなんでしょ?と思うと、全然感情移入ができなかったんだけど、おおくぼひさこの写真のモデルさんは、超イケメン!
そうよ、そうよ、こういう美男子なら、悪いヤツでも許せちゃう!
ちなみに上の写真は「幻」。光源氏が50を超えてなお、この世の物とは思えないほど美しいまま宴に姿を現す、というストーリーです。

窯変源氏
こちらは、「少女(おとめ)」。
姿形は光源氏にそっくりなのに、真面目で実直な息子の夕霧少年を中心にした話です。

源氏物語原文
そしてこれが、現在の私の机の上です。
現代文では飽き足らず、「窯変源氏物語」を参考書にして(贅沢!)、源氏物語の原文を読んでいます。
ストーリーはもうバッチリだから、原文の、あの誰が何をどうしたか判然としない、ゆらゆら〜っとした文章が、スラスラわかる!
ちなみに「窯変」の次の年に刊行された瀬戸内寂聴の現代語訳は、原作に忠実で、文章がわかりやすいです。こちらのほうが、参考書には向いていると思います。

橋本治は「窯変」を源氏物語の映画化と言っていて、原文にない場面や会話をすごく創作してしまったの。
でも、これも創作よね?と思っていたところがしっかり原文にもあったりして、すごく驚かされます。当時の人も、今と同じように考えたりしていたのね〜。
特に、光源氏と、息子の夕霧と、かつて頭の中将だった内大臣(主要人物なのに、この人だけ一貫した呼び名がない)との、お互いの人物評には、プッと笑っちゃうことが多くて。
「だいたいあの人は、いつも〜。それに引き換え、あの人は〜。」とか。いや、お前もだろ、って。
「藤裏葉」では、雲居の雁と結ばれた夕霧のあからさまな後朝の文に、恥ずかしくて返事が書けないでいる娘をせきたてる内大臣が文を見て一言。
「手をいみじうも書きなられけるかな(手蹟(て)が上手くおなりになったな!)」には、声を出して笑っちゃいました。お父さん!舞い上がっちゃってトンチンカンなことをー!
夕霧が成人するまでの源氏にはいろいろと事件がありすぎて、特に「夕顔」や「賢木」では息もつけない感じでストーリーが進むけれど、すっかりオジサンになった源氏も、息子のことばかり心配している可愛いパパですw。

 
挿絵つきの単行本

 
文庫本

 

源氏物語の解説

 
原文に忠実で読みやすい、瀬戸内寂聴の現代語訳



カテゴリー: 2010エンタテインメント
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